試合結果。書きたくない。
試合に行って来たコーチのてつです。
過去最悪の日になりました。
ワンマッチは1勝3敗。
トーナメントは4人全員初戦敗退。
8名いて1勝しか出来なかった。
こんなに負けるとか想像も出来なかった。
私はキレるを通り越しましたね。
みんなも帰りに私の説教をネタにするぐらいなので、まぁ大丈夫。
でもトップバッターのS誠が、やってはいけないような酷い試合をした直後は、みんな私の顔をチラチラ見て、キレてないか確認していたのがわかりました。
あの試合中に、
みんな:「あー。これ。てつさん、キレるやつや・・・。」
って思っていたんでしょうね。
あれはキレてましたよ。
ちなみに、予定ではセコンドはバタバタするはずでしたが、トーナメントで全員初戦敗退だから、セコンドが余るぐらい暇になってしまいました。
全部で8名。全員ざっと書きます。
ざっと書くし、書きたくないと言っても、結局は言いたい事多くて長いから注意。
1人目、S誠。3対0で負け
ずっと下がって、ずっとロープを背負って負け。
どうした?って、みんな思った試合。
今回分析して、彼の試合に対する意識の持っていき方だとわかりました。
それと、自分の得意な事をわかってない。
これは前からだったのですが、蹴られたらすぐ蹴り返したりとか、得意じゃない意味のない事をしようとする。
そこの意識を変えていかないといけないでしょう。
2人目、K来。3対0で勝ち
課題は、ロングとショートの打ち分け、手数、前に出る事。
やる事が全部出来ました。
前日に彼女の家に泊まり、彼女を連れて来たから勝てて良かった。
みんなに、「彼女?試合に集中出来るの?」とか心配されてたけど、そんな心配いらなかったね。
私はみんなに言ってましたが、試合に彼女とか関係ないって。
3人目、S太郎。3対0で負け
相手が強かったけど、勝てなくはなかったと思います。
スピード技術で上をいかれたけど、効かせたパンチがあって、コーナーでラッシュをかけたシーンも作れました。
ただ、ラスト30秒は気持ちで出ないといけない所が出られなかった。
この試合は特に、ラスト30で絶対見せ場を作らないと勝てない内容でした。
彼は体力あるけど、疲れを表面に出してしまいます。試合でいつもバテて遅くなる。
今回ラスト30秒でヘロヘロな打ち合いをしてしまいました。ここが大事だったのに。
いつもスパーでボディをもらった時、相手に効いてない所を見せようともせず、ヘッドギアをわざわざ外して苦しむクセがあります。
(↑ヘッドギアを外す余裕があるなら我慢しろって事)
ここらへんの気持ちの強さが出来れば、また変わりますね。
(そういう私も、めちゃくちゃ気持ちが弱い人間でしたが。)
4人目、N川くん。2対1で負け
相変わらず上手かったけど、上手くやりすぎて、出る所を出ませんでした。
自分の体力に不安があるから、バテないように抑えすぎたって感じ。
体力さえあれば、いく所で気にせずガンガンいけたから、間違いなく勝てた。
多分優勝出来た。
試合見てて思ったけど、一番プロに近いかな。
それだけに、タバコ吸ってるのはもったいない。
5人目、M元くん。2対1で負け
ミドルキックでいくと言ってたけど、全然蹴らないで打ち合いにいきました。
いつもの練習では、ミドルやローを動きながら自分の距離で蹴ります。
動いて打ち合わないで蹴る練習をしていたけど、初っぱなからガチャガチャ打ち合いにいってしまった。
蹴っても、いつもより蹴る場所が低い。
落ち着いて自分の距離も取れてない。
今回も思ったのは、練習でやる事を試合で出せない。
練習の意識を見直す必要があります。
今回も前回も右ストレートが有効だったので色々考えねば。
6人目、Y介。2対1で負け
強いとわかっている相手に、自分のやる事をやろうとして善戦したかなとは思います。
でも頭を下げて、顔を背けてビビりすぎ。
これは気持ちが弱い所がモロに見えましたね。
元々彼は気持ちが弱い性格で、それを強くするためもありキックボクシングをやっています。
前回の試合も、ラスト30秒で気持ちで負けてしまいました。
今、そこが少しずつ強くなっていっています。
もう少しでしょう。
弱い心を変えるのは時間がかかります。
私もそうでした。
この相手に1本上がったのは大したもん。
顔を背けなかったら、いけたかも。
7人目、R。2RKO負け。
相手が強すぎて派手にKOされました。
これは最初でヤバいと思うぐらい、パワーに違いがありすぎました。
相手はこの階級じゃないみたいに力が強い。ただでさえRにとって、この階級は重いのでは?と思うぐらいなのに。
ガードの上から効かされて、ふっ飛ばされていました。
自分のスタイルの蹴りも出てなかったから、ペースも取れませんでした。
インターバルで、蹴りをもっと多く出して打ち合うなと指示しましたが、2R目で相手がギアを上げてきたら打ち合ってしまって倒されました。
鼻も折れた。
これは相手が悪すぎ。
今スタイルを作っている所で、動きは良かったから、倒されるまでの試合運びは上出来じゃないかな。
8人目、M田くん。2対0で負け
1R目にダウンを取られました。
私は彼に、スピードを出してガンガンいけといつも言っていましたが、いきませんでした。
ガンガンいけば負けないと言ってるけど、いつも見すぎ。
私の言ってる事が、まだわかっていなかったんでしょう。
1R目にダウンを取られて、それがとうとう覚醒。
2R目はガンガンいって過去最高の動きをしました。
負けたけど、どのくらいのギアでいけばいいか、今回でやっとわかったかな。
それをやれば負けないって。
全体の事ですが、判定は負けても相手に3本上がるという事がほとんどありませんでした。
みんな惜しい所があったという事。
今回、私はいつも以上に負けた理由を分析しました。
そしたら色々と見えてきたので、必要な負けだったと思います。
負けないと、ここまで考えないし。
他のジムは、試合に出ていた人がすぐいなくなってるから、負けたらあきらめて終わる人が多いんでしょうね。
個人に任せてるみたいだから。
ウチは違うと断言します。
実際にウチは、勝っても負けてもコンスタントに試合に出て成長しています。
出場クラスもどんどん上がってるし。
私は、1人1人を強くする事を考えているのはもちろんだけど、自分の事のように考えるし悔しいし。
負けた理由を一緒に考えて、乗り越えればと思っています。
あきらめないで乗り越えた先に、結果がどうあれ、頑張って良かったと言える日が必ず来ると思っています。
最終的にどうなるかというのは人それぞれですが、負けてあきらめて辞めるのは簡単。
でも、それでは人として何も得ないから。
プロで上まで行くのが目標の人は、このアマチュアはただ良い経験。
ここで色々経験しておかないと、プロで苦労します。(←私みたいに)
プロまで考えてなくて、自分がどこまで出来るのか、どこまで強くなれるのかというのを試したい人は、負けも強くなるための過程でしかありません。負けて色々勉強します。
私は以前から言っていますが、格闘技はただ殴り合いが強くなるための手段ではなく、これを通して色々成長出来るものと思っています。
今回、唯一勝ったK来は、何年も前に1回試合で負けて、その後めちゃくちゃ私に怒られる事もあったけど、今回勝てて、成長した姿が見れたのは本当に嬉しかったです。
あとは、
鼻が折れたRは「鼻折れたかも」って笑っていましたが、試合に出るとはこういう事です。
格闘技は危ないです。
危ないから覚悟もいります。
だからウチはレクリエーション感覚では出しません。体力と気持ちと技術を作ってからしか出しません。
でないと、鼻が折れて笑えないですよね。
Rの気持ちと覚悟が伝わりました。
ちなみに、今年プロ入り予定だった人ですが、まだ早かったかなと考えさせられる内容になりました。
試合の姿が全てです。
練習でやっている事、考えている事、性格など、本当の自分が全て試合に出ます。
そして、最後にいつもの集合写真。
みんな顔が暗い。
でもみんな、この写真が私のコレクションになってると知っているから、「写真撮りたくない」と言いながら撮ってくれてました。
この最悪な日も、成長した後に見れば良き思い出に変わっている事でしょう。
選手とセコンドの皆さん、お疲れ様でした。
応援に来ていただいた方、ありがとうございました。
相手のジムと選手、イベントスタッフの皆様、ありがとうございました。