試合のオマケ話

久しぶりに腰が痛くなったコーチのてつです。

でも今回は3日ぐらいで復活。
ギックリ腰の一歩手前だったから危なかった。
用心せねば。

今回のオマケ話は、坂元くんの話ではないです。
彼はもう完璧に仕事をこなしています。
何も言う事なし。
不器用だけど真面目で一生懸命な彼は、いつも怒られながら頑張って、最後は出来るようになります。
驚くのは、全ての事に対して不器用で、出来るまでずっと努力するみたい。
彼が高校生の頃、部活をしていた時の話も凄い。
少し書かせてもらうと、坂元くんは高校の部活で、顧問の先生から「今までの生徒の中で一番怒った」と卒業の時に言われたそうです。
教え子は何百人いるかわからんけど、その中で一番て・・・。
怒られる理由は不良とかではなく、不器用で出来なさすぎるから。
毎日怒られすぎて、職員室でも有名なぐらいだったそうです。
それでも高校3年間頑張って、最後は出来るようになったとか。
普通なら部活を辞めますよ。
彼の頑張る性格がわかりますね。
どこにいってもそんな感じ。
感動すら覚えます。

という事で彼のネタはもうありません。
それはそれで寂しいけど。

今回のオマケ話は、前回の試合でダメだったH田くんの話。
ダメというのは、90%以上勝てた試合をラスト30秒ないぐらいで落としてしまったから。
ラスト30秒だけでなく内容も良くない。
何人かに質問された事があるから、ブログに書こうと思いました。
あと、みんなに練習や意識のもっていき方を、考えてもらうための良い例になると思って。

その質問内容ですが、H田くんは普段から上手くて、過去の試合も安定して強かったのに、今回の試合はなぜあんなに崩れたのか?って話。
大前提に試合はスパーとは別物です。
会場の雰囲気や緊張、力加減など、スパーとは全然違います。
今回はそれ以外の話。
詳しく解説していきます。

●1つ目は練習に対する気持ちの入れ方

H田くんはキャリア1年3ヶ月時点で、試合は2戦2勝1KO でした。
しかも試合内容は、キャリア1年ぐらいとは思えない落ち着き方と安定した勝ち方で、2戦目はゴツイ外国人を一方的にKO。
この時のまとめ方は上手かった。
このキャリアで、上手くいきすぎなぐらい本当に大したもん。
もちろん彼は週に3回来て練習をとても頑張っています。
対人練習も強い人達とやって、もまれて強くなった感じ。
センスも最初から良かったです。
何でもすぐ出来た。

でも、この何でもすぐ出来るってのが実は落とし穴。
頑張る事をしなくなるが人多い。
本人は頑張ってるつもりなんだろうけど、だいたいの人が真剣さや努力が足りなくなります。
”必死”でやるまでもなく出来てしまうから。

今回の試合の練習を見ていて、私はそれをH田くんに対して感じていました。
変に自信がある感じで、練習を必死でやっていない。
これは試合内容の、ラスト30秒でバテバテになった所に出ています。
体力なさすぎ。
自分に負けすぎ。
体力をつけるためや、気持ちを強くするような、追い込む練習が足りませんでした。
私は練習の時に、追い込むように何回か言ったんですけど、本人はごまかすというか、流して終わり。
「このくらいの練習で大丈夫だろう」
というのが出ていました。
これがもう過信ですね。
『練習で泣いて試合で笑う』という言葉は大事だと思います。

●次に試合のイメージとか、練習の意識。

外国人の選手に、とても上手く綺麗にKOで勝ってから、その後の練習の動きがカッコつけてるというか、基本的な動きが出来てない。
これは途中で指導しましたが、多分、意味をよくわかってなかったみたい。
それが試合で出てしまいました。
ぐちゃぐちゃな打ち方。
崩れまくっていました。
基本的な事を、まだ体で覚えてないという事です。
常に安定した打ち方、蹴り方が試合で出来ないと。
カッコ良く動くなんてのは、基本的な事が出来てくると、勝手にカッコ良く動けるようになるものなんです。
レベルが上がると行き着いた先がそういう動きになるだけ。
しかし、基本的な動きが試合で出来ないのに、それを飛ばして普段の練習からカッコ良く動こうとしていたら、試合で動けるはずがありません。
H田くんを知っている人は試合を見て驚いたと思いますが、普段は上手いのに、試合になったらあんな感じでぐちゃぐちゃに崩れました。
選手みんなに言える事ですが、しっかり「打つ」「蹴る」「ガード」するという基本的な事が、当たり前に試合で出るまで練習してください。
普段から意識して作ってください。
まずそれが出来てから。
その先にカッコ良い動きが勝手に出てきます。
応用や技術なんて後の話です。

●あとは、試合のイメージのもっていき方が悪かった。

相手の試合映像を見ましたが、H田くんなら普通に倒せたはずです。
これは本人も映像を見て思ったはず。
いや。彼がそう思ってしまったのがいけなかった。

倒せるとしたら、それはあくまで、やる事をやれれば自然に流れで倒せるという事。
だけど、やる事をやろうとせず、最初から倒しにいってしまった。
これは試合開始直後、H田くんがパンチを一発振った時に、私は「あ!ヤバい!」と思うぐらい。

なんでヤバいと思ったか?
無理矢理に倒そうとすると、無駄に力んでしまいます。
これはプロでも一緒なんです。
倒しにいこうとしたら大振りになったり、攻撃が雑になったりします。
だから倒せる人はみんな同じ事を言います。
「流れの中で倒す」って。
プロでも最初から狙って倒せるもんではないんですね。
(※格下だったら余裕でいつでも倒せます。しかし、そんなに差があるような試合は組まれません。)
それをH田くんは、一発目から思いっきり振り抜いて倒しにいってしまいました。
超力みすぎ。

この原因はおそらく2つあります。
1つ目は今書いたけど、相手の映像を見て倒せると過信したから。
倒しにいけると思うのがそもそもダメ。
まだ3戦目で狙って出来るような実力はありません。

2つ目は、前回の試合がKOで勝ってるから。
これよくあるんですが、前回の倒すイメージが残っていて、次の試合で同じ事を無意識にやろうとしてしまいます。
H田くんは、その2つが重なるという最悪パターン。

後からH田くんに聞いたら、「コーナーに追い込んでボコボコにしようと思ってた」って。
それを最初からやろうなんて絶対に無理。
無意識に出るどころか、意識しすぎてもっと悪いし(笑)
でも本人は、前回が上手くいきすぎてるから、試合前からそれが出来るイメージになってしまっていたのでしょう。
今まで通り淡々と試合を運べば、流れで倒せたり、コーナーに追い込んだり出来たと思います。
最初から狙って出来るもんではありません。

H田くんの過去2戦が、しっかりやる事が出来て凄く良かったから、次もやれるだろうとタカをくくってた私もいけなかったです。
釘を刺しとけばよかった(-_-;)

あと、H田くんが試合終わって言ってる言葉ですが、
「相手には負けてないけど、自分に負けました。」
って。
ウケる(笑)

負けを受け入れて素直に頑張ると思っていたら、そうきたか・・・。
でも、こういう相手に負けを認めない気持ちも大事なのかもしれないと思いました。
この考え方が正しいかどうかは、次の彼の試合結果でわかるでしょう。

ちなみに、ベテランのS本くんが言うには「相手には負けてないけど…」という言葉は写真に出てますね(笑)って。
前回載せた、試合後の写真の事です。
確かにH田くんは負けた後に見えない(笑)

最後に、驚いたのがH田くんの奥さんの話。
H田くんが試合に行く時に、奥さんが言ったらしいです。
「頑張って」
じゃなくて、
「天狗になってるから負けてこい」
って。

すげぇ。
奥さんわかってる。
私より核心を突いた一言。
試合前の彼の状態だったら、これが一番のアドバイスだったでしょう。
やっぱり一番の理解者ですね。

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