試合を振り返って
試合映像を見直したコーチのてつです。
前回のブログに「試合直後に書いたからセコンド目線で。」と書いていましたが、この理由は後から映像を見直すと、印象が全然違う場合があるからです。
リングサイドで見るのと、映像で見るのとは、印象が全く違って見える事があります。
ボクシングの世界戦で、何億円とお金がかかった世界トップの試合でも、映像を見た解説者、客席、ジャッジの評価が違う事があるのはそのためです。
これは知ってる人は知ってる事で、よくあります。
いつものアマチュアの試合は、まずセコンド目線で書いて、後から映像を見て確認していますが、今回のブログは試合後の空いた時間に書いたままでした。
今回の試合映像を見直して思った事は、1Rの前半は少し鈍いぐらいで良い動きをしていますね。
セコンドの感覚としては打ち合った印象が凄く強く残りましたが、それはラウンドの後半で足が止まって動きが鈍くなって打ち込まれてたからでした。
1R目の前半はこちらが上手く当てています。
1R目の中盤から、相手が気持ちで前に出てきました。
そこを前半の動きで止めていれば良かったのですが、相手の気持ちに押されたのか、雰囲気にのまれて打ち合おうと思ったのか、疲れが出てきたのか、ローをまともにもらいすぎてリズムを持っていかれたのか、一気に動きが悪くなって、打って打たれての状態になってしまいます。
九州大会で優勝した時の中川くんなら、動きを変えないでやっていました。
ここがいつもと違う感覚だったのでしょう。
セコンド目線で、「動かないで打ち合った」ように見えていましたが、映像で見たら「動けていない」感じだったです。
いつもより、ジャブでも何でもまともにもらいすぎていました。
2R目は完全にバテて、3R目は頑張った。
(プロの試合はアマチュアより体力の消耗が激しいとも言われます。)
あとは、相手選手が前回の試合よりかなり強くなっていましたね。
正直言うと、勝てると思っていたのですが、相当練習してきたのでしょう。全然想像と違いました。
気持ちの強さにも驚きました。
絶対倒してやる。勝ってやる。という気持ちが伝わるぐらい。
やっぱりプロの世界は厳しい。
プロ根性って大事。
今回の試合で中川くんは、体力のなさを改めて実感したみたいで、試合が終わって帰りの車の中で、次の試合に向けての練習について考えていたので、やる気スイッチが入ったなと思いました。
プロで勝つには、どれだけの事をやらないといけないかわかったみたいなので、次はやってくれると思います。
(まぁ、ついこの前までヘビースモーカーだったから、この短期間であれだけ出来るようになった事が凄いけど。アプリで見たら禁煙してまだ100日って。)
負けて「落ち込む」「悔しい」気持ちは、もちろんあると思います。
それよりも今回の反省を活かして、次に目を向ける。
とてもいいですね(^-^)
今回の試合は急なオファーで、出るかどうか本人は悩みましたが、その帰り道で話した、練習でやる事等の気持ちを聞いていて、出て良かったと思いました。
今からその気持ちと練習量でいくという事です。
もし、今回の試合に出なかったら、5月に出場予定だったので、今までと同じ感覚で練習しただろうから、無駄な5ヶ月間を過ごしたかもしれません。
何事も経験。
今回プロを肌で感じた経験を、練習で活かす事でしょう。
前から私は言ってるけど、どれだけ早く気付くかで成長が変わります。
彼は年齢的に残された時間は少ないから、プロの世界でどこまで行けるかのチャレンジ。
だから毎日が大事。
5ヶ月も成長がないのはもったいない。
私もプロになった年齢が遅かったから同じです。最初は体力がなかったのも同じ。
ですので毎日を大事に、毎日少しでも成長するようにと考えていました。
あとは中川くん。
年齢的なものがあるから、体のケアをするようにね。
実は彼、元々プロになる気なんて全くなかった人。
まわりがアマチュアで勝っていってプロに近付いたから、「自分も」と流されてやっていたら、いつの間にかみんなを追い越してしまってプロへ一番乗りしてしまいました(笑)
元々センスがあったし。
(「流されて」って書いたけど、あくまで私から見たイメージ(笑))
今のところ、中川くんの次の試合は5月19日予定。
この団体で頑張れば、中央の大きい団体に出られるので、出来る所まで頑張ってほしいです。
応援に行った人達は、最後のラウンドは泣きながら応援していたとか。
凄く感動したと皆さんおっしゃっていました。
生のプロの試合は、アマチュアとは全然違いますよね。
知ってる人の試合だから、さらに気持ちも入ります。
特に選手組は、生のプロの試合&いつも一緒に練習している人のプロの試合というのは、凄く良い刺激になったと思います。
プロを目指している人達は、どれだけの事をやらないといけないのか基準も出来ましたね。
頑張っていきましょう!