試合結果。2戦1勝1分。
RISE Nova西鉄ホール大会に行って来たコーチのてつです。
今回は2名がトライアルBクラスに出場。
1人目。
H田。1対1引き分け。
この判定には頭にきました。
試合終了と同時に、
「よしっ!勝った!」と思っていたら、三者三様の引き分け。
さすがに相手に旗を上げてるジャッジがいたから、
「え!?なぜ???」
「百歩譲っても相手に上がる事はないでしょ!」
という感じで、試合が終わって私はキレそうでした。
H田くんも、呆然・・・。
YouTubeで応援してたS本くんも納得いかなかったのか、試合後にLINEで、
「テツさんの反対側のアングルのユーチューブで見ても、明らかに林田くんの勝ちです😡」
と連絡来たぐらい。
前回のY介の例があるから、後から冷静に映像を見てみようと思いました。(←2025年9月22日のブログ、試合結果のY介の所)
帰ってゆっくり、相手目線で映像を確認してみました。
相手の良い所は、
・体力あってアグレッシブ。
・手数が多くて、1発1発が力強い。
・パワーがあるから攻撃してる時の勢いと印象が良い。
まともに効かせるようなクリーンヒットはウチが何発も出しています。
あの有名な、和田レフェリーもウチに旗を上げてたし。
でも、力で打たれて押し込まれるシーンもある。
相手の勢いが凄いから、確かに見方によっては引き分けかも。
相手に旗が上がる事はない気がするけど。
格闘技の採点の一番は、有効打(クリーンヒット・ダメージ)です。
しかし、プロでもクリーンヒットより、手数を出したほうが勝ってしまう場合があります。
本当は違うけど、ジャッジに有効打と見えてしまうみたい。
↑有名なのはボクシングの「パッキャオvsブラッドリー」
クリーンヒットのパッキャオじゃなくて、手数のブラッドリーが勝った試合。
クリーンヒットを多く与えたパッキャオの勝ちだろうと、判定を巡って大問題になりました。
ファイトマネーが20億円を超える大きな試合でも、不可解な判定で物議を醸す場合があります。
そのくらい格闘技は採点が難しい。
その人の見え方や印象でゴロッと変わってしまいます。
以前ブログにも書きましたが、リングサイドで見るのと客席で見るのとでは、全然違って見えてしまうぐらい。
今回の判定ですが、実はウチらの前にも似た状況の試合がありました。
青コーナーの選手はクリーンヒットをしっかり当てた。
赤コーナーの選手は手数を出して当たらなくても前に出た。
結果は引き分け。
これを見て、私と坂元くんで「これで引き分けなんだ・・・」って話してたんですよ。
ジャッジの立場でも考えてみました。
ジャッジは1日に何十試合と採点します。
この日は75試合。
H田くんは52試合目。
さっきも書きましたが、採点の一番は有効打。
でも、ジャッジによっては疲れてクリーンヒットまでは、しっかり見えなくなってるかもしれません。
ジャッジもその道のプロです。
変な判定は付けられません。
しかしジャッジも人間なので、全試合集中して見るとか無理なのかも。
ウチらは自分の試合だけを集中して見るけど。
そう考えたら、当たらなくても手数が多くて、力強く前に出ているほうが全体の印象で勝つ事もあるな。という考えに辿り着きました。
きちんとこの試合だけを、ジャッジに採点してもらったら勝っていたと思います。
しかし、悔しいけどこれがアマチュア判定あるあるのやつ。
だからラスト30秒の印象が大きいのもわかります。
選手は1試合1試合を一生懸命、必死でやっているから本当に悔しい。
それなら、どうしたら勝てるのか?
両方すればいいんですよ。
・アグレッシブに手数を出す。
・前に出る。
・その中でクリーンヒットをしっかり当てる。
・最初から最後までそれを続ける。
次からコンビネーション多めで数多く攻撃して、前に出て、その中で的確にクリーンヒットを多く当てる。
ショットガンをガンガン打って、たまにライフルを打つ感じで。
どんなジャッジでも、誰が見ても「勝ち」と言わせるぐらいになってやる。
口で言うほど簡単じゃないので、頑張って練習しましょう。
思い出してみたら、私がプロでやってる時の最後のほうは、手数多めで、その中のどれかを当てて倒してました。
7、8割ぐらいの攻撃を淡々と出す感じで。
↑この7,8割は、自分の全力をわからないと出来ないですよ。
普段から全力シャドーとかをやらないといけません。
あと試合慣れも。
今回、H田くんは練習をすごく頑張りました。
今までで一番頑張ったかも。
走り込んで体力もつきました。
前回は「体重が落ちない」と言っていましたが、今回は練習量を上げたので自然に落ちました。(←前回は練習量が足りなかった事が判明)
今回はスパーも良い感じに出来ました。
走り込みを頑張りすぎて、試合直前に膝を痛めたのがいけなかったね。
ケアをしながら、様子を見ながら上げるのも覚えていこう。
試合前って、練習量をめちゃくちゃ上げて減量もするからケガしやすいのもあるんよ。
そういうのも経験になったかも。
悔しかったけど、また頑張ろう。
H田くんも「また頑張る」と言って、前を向いていました。
試合が終わった後にH田くんが、
「試合終わった時に体力がまだ残っていたから、もっといけたと思います。」
と言ってたから、心残りもありますね。
そこで全部出してれば勝てたから。
いつもの最後にみんなで撮る写真ですが、今回の彼はめちゃくちゃ落ち込んでます。
負けではないんだけど。
頑張った時のほうが、悔しさも嬉しさも倍増するもんです。
それもまた良い経験。
2人目。
M海。3対0勝ち。
BLASTのモンスターM海。
ダウンを1回取って勝ち。
これで4戦全勝かな?
しかし、今回の内容はダメダメでした。
今回の相手の映像を見たら、M海なら倒すだろうと思っていました。
多分、逆立ちしても負けないぐらいの差。
でも、試合ってやっぱりやってみないとわからないもんですね。
いつも通りいけば倒せたのだろうけど、今回のM海はめちゃくちゃにガンガンいきすぎ。
これには私もビックリ。
でもまぁ、今回の課題は「アグレッシブに攻める」というのもあったし、そのまま力で″ねじ伏せる″だろうと楽観視して見ていました。
そしたらどっこい。
1発1発を思いっきり振りすぎて、まともに当たらない。
空振りして、体が半回転してしまうぐらい。
途中で相手にまとめて打ち込まれるシーンも。
おいおい・・・。
楽観視して見てられなくなってきたぞ。
途中、相手がローキックをカット出来ないとわかったから、「ローは全部当たるよ!」と声をかけました。
自分で気付いたのか、それが聞こえたのか、思いっきりローを何発も蹴り抜いて、相手をひっくり返してダウン。
これが決め手となり3対0の勝ち。
でも、いつも丁寧に考えて試合をするM海がなぜ?って感じ。
帰りに私はM海に聞きました。
私:「倒そうと思ったろ?」
M海:「はい。めちゃめちゃボコボコにして倒してやろうって思ってました。これ勝てばBクラスだから、いい内容で勝って上がろうかと。」
私:「あー、やっぱり・・・。いい内容って、そういう事じゃないよね^^;」
能力が高いM海も、ちょっとした考え方ひとつでこうなってしまいます。
格闘技って面白いですね。
M海も良い勉強になったと思います。
手数多めは多めでも、雑に出したら逆に当たらないです。
次にクラスを上げて出るなら、もっと対人練習を増やしていく必要があります。
それは本人にも話しました。
打ち方を洗練していきましょう。
今年の試合はこれで終わり。
来年デビュー予定の新人選手も何人か育っています。
AクラスのS太郎も来年は選手に復帰します。
Aクラス組の仕上がり次第ではプロ入りするだろうし。
来年は面白くなりそうです。
選手とセコンドの皆さん、お疲れ様でした。
応援に来ていただいた方、ありがとうございました。
相手のジムと選手、イベントスタッフの皆様、ありがとうございました。













